
高浸透ビタミンC誘導体(APPS)と
肌の透明感にまつわる研究を国際学会にて発表
2025 年6月6日~8日、タイのバンコクにて開催された「IMCAS Asia 2025(アジア皮膚老化会議2025)」で、ドクターシーラボ®はビタミンCと肌の透明感の関係にまつわる新たな研究成果を発表しました。その内容をレポートします。
IMCAS Asia 2025とは

IMCAS(International Master Course on Aging Science)は、美容医療やエイジングケアの専門家が世界中から集い、最新の知見と技術を共有する国際的な学会です。美容医療におけるドクターシーラボ®の役割は、クリニック発想の理論による低刺激なスキンケアで治療後の肌の回復をサポートし、さらに治療で得た効果を持続させること。IMCAS Asia 2025では米国皮膚科学会2025でも発表した知見に基づき、高浸透ビタミンC誘導体(APPS)の連用による効果についての研究成果を発表しました。
ビタミンC配合製剤がもたらす多面的な効果を研究
肌の透明感は、表面での可視光反射と肌奥の真皮での光反射という、複雑な光学現象の結果として生じます※1。表面での可視光反射には、水分量や色素沈着斑、表面平滑性、スキントーンなど、複数の要因が影響します。真皮での光反射は、主に真皮の密度によって左右されます。
ドクターシーラボ®では、高浸透ビタミンC誘導体(APPS)は肌の透明感に寄与するという仮説のもと、高浸透ビタミンC誘導体(APPS)を連用したとき、これら複数の要素にどのような影響があるかを研究しました。
真皮コラーゲン合成促進効果については、Ex-vivo(生体の体外で行う実験)で評価しました。35歳のアジア人ドナーから採取した皮膚サンプルの、コラーゲン線維含有量を評価。皮膚サンプルの培養を2日間行った後、皮膚組織をネガティブコントロール(NC:何も塗布しない)群と、高浸透ビタミンC誘導体を塗布する群のふたつに分け、7日間の試験を実施しました。両群とも、4日間にわたりUV-AとUV-Bを照射し、照射後に培養培地を交換。その後、UV照射を行わず3日間培養を継続しました。
臨床試験は、31~45歳の日本人女性 30名の被験者を対象に、8週間にわたり実施しました。高浸透ビタミンC誘導体(APPS)を配合した化粧水を、全顔に1日2回使用。被験者は、日頃エイジングケア製品を使用しておらず、シンプルな保湿ケアとUV対策をしている人で、くすみや乾燥、ツヤの低下など、エイジングサインを感じている人に限定しました。使用前、4週間経過、8週間経過の時点で、コルネオメーターを使用して皮膚水分量を、キュートメーターを使用して弾力性を、グロッシーメーターを使用してツヤを評価。さらに、VISIAによる画像解析で色素沈着を評価しました※2。
※1. Matsubara A., Skin Res and Technol. 2012;18(1):29–35.
※2. Kim H.J., et al. Skin Res and Technol. 2015;21(1):41–6.
高い真皮コラーゲン合成効果を確認


真皮コラーゲン合成促進効果の試験結果がこちらです。
ネガティブコントロールと比較して、5種すべてのコラーゲンが有意に増加しました。コラーゲン線維量とコラーゲン密度も、それぞれ141.46%と35.42%という改善率で有意に増加しました。高浸透ビタミンC誘導体(APPS)の高い経皮浸透性が、この顕著なコラーゲン合成促進効果に寄与していると考えられます。
肌の透明感に関連する多面的な要素が向上





表面での可視光反射に関するの試験結果がこちらです。
高浸透ビタミンC誘導体(APPS)を配合化粧水は、使用前と比較して肌の水分量を継続的かつ有意に増加させ、4週時点で11.9%、8週時点で21.6%の上昇を示しました。肌弾力も継続的かつ有意に向上し、4週時点で7.4%、8週時点で14.6%の改善が認められました。色素沈着斑は8週時点で5.9%減少、肌のツヤは8週時点で有意に8.7%向上しました。
VISIA画像解析では色素沈着の有意な改善が確認され、ブラウンスポットスコアが4週時点で 3.3%、8週時点で5.9%低下しました。
これらの結果から、高浸透ビタミンC誘導体(APPS)に肌のさまざまなエイジングサインに対して多面的な改善効果を示し、それにより肌の透明感が高まることが期待されます。