

ビタミンCの効果や取り入れ方とは?
ビタミンC誘導体についても解説!
化粧品でもサプリメントでも、美肌作りに定評がある成分として古くから知られる「ビタミンC」。その効果や取り入れ方のコツなど、知っているようで知らなかったことをご紹介。
ビタミンCの肌への効果
ビタミンCというと「美白効果」がよく知られていますが、使ってすぐ実感できるのが皮脂抑制や毛穴引き締め効果。
さらに、肌の奥でハリ・弾力を保っている、真皮層のコラーゲン産生を促す働きもあります。肌の弾力が保たれることで、シワを防ぐこともできます。
これだけさまざまな効果があるため、ビタミンCは何十年も前から皮膚医療で使われており、トラブルが少なく安全性の高い成分だといわれています。


ビタミンCは食べるか塗るかだとどちらがいいの?
ビタミンCを含む野菜や果物、サプリメントをとると、体内で消化吸収され、さまざまな用途で消費されます。
骨や腱などを結合するタンパク質・コラーゲンの合成に使われたり、活性酸素を無害化して病気や不調を防いだり、ウイルスと闘ったりする際に消費されます。
しかし、ストレスなどでビタミンCはあっという間に消費されてしまいます。その結果、体内に取り入れても皮膚に届く量はごくわずか、という状態になってしまいます。
人間はビタミンCを体内で合成することができないため、食事やサプリメントで摂るのが基本です。


化粧品に配合されている「ビタミンC誘導体」とは?
ビタミンCはそのままの状態だと不安定で酸化しやすいため、化粧品に配合してもすぐに効力がなくなってしまいます。
「ビタミンC誘導体」とは、ビタミンCの安定性を高めるために、他の分子をくっつけたものです。化粧品の中に存在しているときは安定していますが、肌に触れると肌がもつ酵素によって分子が離れ、ビタミンCとなって働き始めます。
中にはピュアビタミンCを配合している化粧品もありますが、その場合もカプセル化などの処理が施され、肌に浸透してからカプセルが壊れて働くように工夫されています。


ビタミンC誘導体の種類と働き方
ビタミンC誘導体には、水となじみやすい性質を持った「水溶性」と、油となじみやすい「油溶性」、その両方の性質を持った「両親媒性」の3種類があります。
肌表面の角層には「バリア機能」があり、異物の侵入を防いでいます。化粧品が肌に浸透するためには、角層になじまなければなりません。
角層の細胞の隙間を埋めている「細胞間脂質」は、水分と脂質が網の目になった構造をしています。また、細胞ひとつひとつの「細胞膜」は脂質、細胞の中は水性です。
そのため、肌全体にビタミンCを届けるには、水溶性と油溶性の両方を取り入れることがコツ。両親媒性のビタミンC誘導体は、ひとつで肌のすみずみまで浸透してくれる、注目の成分です。
主な角質ケア成分の種類
種類 | 名前 | 特徴 |
---|---|---|
水溶性 | L-アスコルビン酸2-グルコシド | ビタミンCとブドウ糖を組み合わせた誘導体。酸化に強く、皮膚内で徐々に分解されるので持続性が高いのが特徴。 |
リン酸アスコルビルMg | ビタミンCと、ミネラルの一種であるマグネシウムを組み合わせた誘導体。肌に浸透しやすい性質をもちます。 | |
油溶性 | テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル(VC-IP) | ビタミンCとイソパルミチン酸を組み合わせた誘導体。肌になじみやすく、しっとりした使用感が特徴です。 |
ステアリン酸アスコルビル | ビタミンCとステアリン酸を組み合わせた誘導体。抗酸化剤として食品にも配合されています。 | |
両親媒性 | パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS) | ビタミンCとパルミチン酸を組み合わせた誘導体。水にも油にもなじみやすく、通常のビタミンC※の約100倍もの浸透力を持つ注目の成分です。 |
※ アスコルビン酸グルコシド


ビタミンCの魅力は伝わりましたか?
数多くの働きをもつ「ビタミンC」はすこやかさと美しさ、どちらにおいても重要な役割をもっています。その種類はさまざまですが、毎日のケアや食事、サプリメントなども上手に活用して、ぜひ積極的に取り入れてみてくださいね。



※1 角層まで
*1 パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(整肌成分)