公開日:2024.08.20
SKIN CARE
[皮膚科医が解説][シワ改善・予防法]
保湿しても、マッサージしても消えないシワは、土台が崩壊しています
お手入れを頑張っているにも関わらず、年々深く刻まれていくシワ。その原因は、せっかくのケアが真皮に届いていないことが考えられます。「シワケアで狙うべきは、真皮です」と指摘するのは、皮膚科医の牧野 輝美先生。今あるシワも、未来のシワも解決に導く方法を、牧野先生に教えていただきました。
監修:
シロノクリニック横浜
院長 牧野 輝美 先生
レーザー治療、光治療に秀でたベテランドクター。化粧品や美容成分にも精通。技術と知識があるからこその治療に定評がある。
シワを消す、その答えは真皮にアリ!
(牧野 先生)シワのある肌とは、真皮にあるコラーゲンやエラスチンが減って脆弱になり、土台が萎れてしまっている状態。その上にある表皮はラップのようなとても薄い膜なので、肌の土台である真皮が崩壊して波打つと一緒に波打ってしまい、その結果できる凹凸がシワとなって現れます。つまり、シワを改善するためには真皮へのアプローチが必要です。
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[シワの原因とメカニズム]シワができるって、こういうこと
目周りなど乾燥しやすい部位にできる浅いシワは、肌の水分不足が主な原因。十分な保湿と正しいスキンケアで、改善が見込めます。けれど、肌の奥まで刻まれた深いシワは、真皮が崩壊している可能性が大。まずは、シワができるメカニズムを見てみましょう。
エラスチンの変性やコラーゲンの減少で、土台(真皮)がグラグラ
光老化や加齢、女性ホルモンの減少などに加え、紫外線、乾燥などの外的要因によって、エラスチンが変性したりコラーゲンが減少したり……。その結果、肌の土台である真皮が崩壊してシワが表面化。
[シワが刻まれる原因]
・乾燥
・紫外線(光老化)
・表情の癖
・加齢
・女性ホルモンの乱れ・減少
エラスチンやコラーゲンが土台(真皮)に十分あることで、シワが作られない
エラスチンやコラーゲンが十分に産出されている肌は、土台となる真皮が安定しているため、内側から持ち上がるようなハリや弾力があり、シワが気にならない。
だからこそ、シワを取るには、エラスチン・コラーゲンを増やす「真皮ケア」が必要です
シワのない肌になるためには、肌の土台となる真皮にエラスチンやコラーゲンを増やすことが鍵。そのための選択肢として考えられるのが、美容クリニックでのシワ治療や、シワを改善するために有効な成分でのお手入れです。その2つの方法について、詳しく解説します。
[深いシワの目安とは?]こんなシワは要注意
お風呂上がりに、鏡で顔をチェックしてみてください。お風呂上がりは、肌の水分量が多く血行も良いため、肌がふっくらとし透明感もあります。その時にもくっきりと目立つシワは、コラーゲン減少などにより肌に深く刻まれている可能性大。定着してしまったシワは、保湿やマッサージだけでは改善できません。
また、肌のくすみもシワを際立たせる要因です。シワが影となって肌に現れると、くすみと合わさり、より深いシワに見えてしまうのです。
[クリニック編]できてしまったシワを、今すぐ改善したい派
美容医療でシワを改善
クリニックでのシワ治療の代表的なものとしてあげられるのが、サーマクールFLXとスネコス注射。どちらも真皮に働きかけ、コラーゲンの産生を促す施術で、土台から立て直しシワを改善します。両方の施術を組み合わせて治療することも可能。痛みを伴い治療費もかかりますが、即効性が期待できます。
美容医療はエイジングが進行した人が行うもの……というイメージがあるかもしれませんが、始めるのが早ければメリットもたくさん。定期的にメンテナンスすることで予防にもなり、修復も早くなります。
頑固なほうれい線、たるみを伴うシワに
サーマクール FLX
目もとや眉間、額などの小ジワに
スネコス
[スキンケア編】コツコツ着実に、シワを改善したい派
スキンケア成分でシワを改善
シワ改善に有効なスキンケア成分の代表的なものとしては、2大エイジングケア成分の「純粋レチノール」と「ナイアシンアミド」があげられます。これらの成分を取り入れるスキンケアは、効果を感じるまで時間はかかりますが、痛みもなく治療費もかからないため、誰でも気軽に始められます。
純粋レチノール×ナイアシンアミド
で、真皮からシワ改善効果が!
[予防編]未来のシワを阻止!シワを作らせないために
20・30代も必見!すぐに役立つ TIPS 4
一度、深いシワを作ってしまうと、改善するのには時間やお金がかかります。シワを予防するのには、日々のケアが重要。ここでは、シワを作らせないための、今日からできる4つのTIPSを解説します。
TIPS 01 十分な保湿+レチノールを取り入れる
皮脂腺が少ない目元は、特に乾燥しやすく、シワができやすい部位。加えて、アイメイクや摩擦、紫外線などのダメージで肌のキメが粗くなり、20代後半から細かな乾燥小ジワが気になる方も……。シワが深く刻まれる前に、日頃から丁寧なスキンケアを心掛けましょう。
◎化粧水やゲルなどで保湿を徹底する
◎コラーゲンを増やしてくれるナイアシンアミド、エラスチンにアプローチするレチノール配合のスキンケアを取り入れる
TIPS 02 無理なく・上手に、美容医療を取り入れる
美容医療は、エイジングが進んでしまった時の解決策……と思われがちですが、医療によって予防したり、減少させたりする予防美容という観点もあります。
【30歳前後から取り入れたい美容医療】
ボトックス(4ヶ月に1度の施術でシワ予防・改善)
◎不機嫌と勘違いされがちな「眉間のシワ」予防に
◎目を見開いたり、眉を上げたりするといった癖のある人にできやすい「おでこのシワ」予防に
◎目を細めたり、笑った時ににできる「目元のシワ」予防に。
目元は、加齢や紫外線などの外的要因により肌のハリが失われ、シワが定着しやすい部位。30代前後の方は、マイルドな処置をおすすめします
リバースピール
小ジワやくすみなどの色素沈着の改善に特化したピーリング治療です。3段階のピーリングで真皮にアプローチ。コラーゲン量を増やし、小ジワやくすみを改善します。
TIPS 03 間違ったスキンケアを改める
スキンケアは使い方が重要です。目元などのシワが気になりだすと、美容液やクリームを何度も塗り込みこすりがちですが、肌への摩擦は逆効果です。
◎こする・たたくといった摩擦はご法度
クレンジングや洗顔でも、こすらないよう注意しましょう
◎スキンケアの量をケチると摩擦に繋がります
規定量以上を使って、やさしいお手入れを心がけましょう
◎紫外線に注意!
シワやたるみの原因となるUV-A波は、くもりの日も家の中にも降り注いでいます。日焼け止めもスキンケアの一部と捉えて、季節を問わず365日、UVケアを怠らないようにしましょう
TIPS 04 生活習慣も重要
ストレスや不規則な生活が続くと、女性ホルモンが低下し、コラーゲン量が減少。シワもできやすくなります。過度なダイエットや喫煙も控えましょう。また、スマートフォンを使う時の姿勢にも注意が必要。長時間うつむいたままでいると、顔回りに重力がかかり、首のシワやほうれい線に繋がります。
この記事のまとめ[できてしまったシワを改善することは可能]
シワ改善には、日々のスキンケアで保湿を徹底した上で、レチノールやナイアシンアミドの美容成分を取り入れましょう。
また、深く刻まれてしまったシワの改善や即効性を求めるなら、美容医療を取り入れるのも手。
◎保湿を徹底する
◎レチノールやナイアシンアミドを取り入れる
◎こすらない・たたかない・摩擦レスを心掛ける
◎日焼け止めを忘れない
◎美容医療を上手に取り入れる
◎生活習慣を見直す
一度、真皮まで刻まれてしまったシワを元通りにするのは、それなりに時間もかかれば、お金もかかります。だからこそ、シワを作らないための予防ケアが重要です。日々の正しいスキンケアを基盤に、効果的な美容成分や美容医療を上手く取り入れ、未来のシワを予防しましょう。