NEW2024.06.28
SCIENCE REPORT

レチノール美容液の効果を高める
ヒアルロン酸マイクロニードル

シワやたるみのケアに高い効果が期待されるレチノール。ドクターシーラボ®では機能性化粧品に対する高いニーズに応えるため、レチノール配合美容液にヒアルロン酸マイクロニードルを組み込んだ製剤を研究開発しました。

INDEX

ヒアルロン酸マイクロニードルとは?

ヒアルロン酸マイクロニードルが皮膚に侵入する顕微鏡画像
ヒアルロン酸マイクロニードル入りレチノール美容液の浸透イメージ

ヒアルロン酸マイクロニードルとは、皮膚に直接貼ったりスキンケア製剤に配合したりするために開発された、ヒアルロン酸を微細な針の形状に加工したものです。さまざまなスキンケア化粧品に利用されています。

ドクターシーラボ®では、高いエイジングケア効果が期待されるレチノールを配合した製剤に、ヒアルロン酸マイクロニードルを加えた美容液を開発しました。
ヒアルロン酸マイクロニードルは、角層の水分に触れて溶解する前に、表皮層にマイクロチャネル(吸収経路)を作り、レチノールの送達と吸収を高めます。

このレチノール&ヒアルロン酸マイクロニードル配合製剤を使って、ヒト皮膚を使った試験とモニター評価を実施しました。

レチノールの吸収が向上

ヒト皮膚内のレチノール濃度が向上

ヒト皮膚に、レチノール美容液とマイクロニードル添加レチノール美容液2種を塗布し、経時変化を観察しました。6時間に表皮内のレチノール濃度を確認したところ、マイクロニードル添加美容液を塗布した方は、マイクロニードルなしと比較して55.6%有意に増えていることがわかりました。

皮膚の弾力性が向上

皮膚の弾力性が向上

シワや肌のたるみなど、加齢に伴う肌の悩みを改善する効果を評価するため、40歳から59歳の日本人女性16人を対象に臨床試験を行いました。 レチノールとヒアルロン酸マイクロニードルを含有した試験製品を、目の周囲と額に1日1回、12週間塗布し、4週間ごとに肌の測定を行いました。

この結果、美容液使用後4週目から肌の弾力性に著しい改善が認められ、12週後には11.4%増加しました。

顔の表情ジワが減少

シワ面積が減少
シワの本数が減り、浅く

同じ条件のにおいて、シワ改善の臨床試験も行いました。シワの数と大きさを測定するために、シリコンの型を用いた分析によって、こめかみのシワの形状を測定しました。

シワ面積は4週目以降も減少し続け、12週後には-11.5%の有意な改善が認められました。シワの数も、25週目から4週目まで継続的に減少し、12週間の使用で-8.6%の有意な改善が認められました。

これらの結果から、レチノールはヒアルロン酸マイクロニードルと一緒に製剤に配合することで表皮への浸透が上がることと、ヒアルロン酸マイクロニードルとレチノールを含む顔用美容液に高いエイジング効果があることが実証されました。

出典:Ando M, et al. A Novel Topical Facial Serum Containing a Suspension of Dissolvable Hyaluronic Acid Microneedle and Retinol for Improved Skin Penetration and Antiaging Efficacy In Aged Skin. Presented at: American Academy of Dermatology Annual Meeting 2024; 8–12 March 2024; SanDiego, CA, United States. Poster number 50653.

米国皮膚科学会で発表し、高い評価が

米国皮膚科学会

世界中から著名な皮膚科医が集まり、2024年3月8日〜12日に開催された「2024年米国皮膚科学会年次総会」でこれらの試験結果を発表したところ、高い評価が得られました。レチノールもヒアルロン酸マイクロニードルも、美容に関心をもつ一般消費者に大変人気があります。私たちはレチノールを長く取り扱ってきた経験をベースに、ふたつを一緒に配合した製剤をさまざまな形で活用していきたいと考えています。

ドクターシーラボ®︎では、まだまだ他にもたくさんの基礎研究を行っています。今後も研鑽を重ね、すこやかで美しい肌へのニーズに応えていきたいと思っています。