NEW2024.05.14
SCIENCE REPORT

米国の学会で
ドクターシーラボ®独自の技術を発表

2024年3月8日〜12日に開催された「2024年米国皮膚科学会年次総会」において、ドクターシーラボ®は敏感肌やアンチエイジングなどに焦点をあてた最新の科学的イノベーションを発表しました。その内容の一部をレポートします。

INDEX

世界中の著名な皮膚科医が集結する学会

米国皮膚科学会(AAD)は世界で最も大きな皮膚科学会のひとつとされており、世界中の著名な皮膚科医が集結します。ドクターシーラボ®では長年にわたり皮膚や美容成分にまつわる基礎研究を行っていて、その成果を化粧品や医薬部外品の開発に活かしています。AADにて研究発表ができるということは、その研究内容が先進的で世界の皮膚研究において大きな意味を持つことを示しています。これは、メーカーおよび研究員にとっては大変名誉なことです。

私たちドクターシーラボ®は、今回の「2024年米国皮膚科学会年次総会」において、グループ全体で5つの研究発表を行いました。その中で今回ご紹介したいのは、今、美肌を目指す人にニーズの高い「レチノール」と「ビタミンC」にまつわる研究発表です。

純粋レチノールと高浸透ビタミンC誘導体の同時配合を実現

研究発表を行ったのはドクターシーラボ®研究開発部西澤泰地

研究発表を行ったのは、ドクターシーラボ® 研究開発部 西澤泰地を中心とするチーム。その内容は、安定する条件が異なる純粋レチノールと高浸透ビタミンC誘導体を、ひとつの製剤に同時配合することに成功したということ。また、製剤を肌に連用塗布することによる試験結果も発表しました。

レチノールやビタミンCは、それぞれ高い美肌効果をもつものの製剤に配合すると分解されやすく、デリケートな成分であることが知られています。レチノールは他の物質と結合させて安定化した「レチノール誘導体」として配合されることも多いです。ドクターシーラボ®は、25年以上にわたるレチノール研究による豊富なノウハウを活かし、レチノールの有効性を最大限に引き出し20以上の特許を取得した革新的な技術を開発しました。それにより、誘導体よりも効果の高い「純粋レチノール」を、化粧品の製剤に安定配合することに成功しています。

ビタミンCについても同様に、「ピュアビタミンC」を製剤に安定配合することは非常に難しく、安定化させたさまざまな「ビタミンC誘導体」が使用されています。ドクターシーラボ®では、高い効果が期待できる「高浸透ビタミンC誘導体」にこだわって研究を進めています。

私たちは、このふたつを一緒に使用することが、肌への多彩な効果につながると考えました。そこで、ひとつの製剤への同時配合に取り組んだのです。

性質とpHに着目し、二層の状態で安定化

肌への浸透性 ヒアルロン酸Naの2.2倍浸透

純粋レチノールは油に溶けやすい性質をもち(油溶性) 、高浸透ビタミンC誘導体は水にも油にも溶けやすい性質をもっています(両親媒性) 。また、それぞれ安定化するpHの条件も異なります。そこで純粋レチノールを油性の製剤、高浸透ビタミンC誘導体を水性の製剤に、それぞれ適したpHを保った状態で配合。ふたつの製剤を合わせて、二層の製剤を作ることに成功しました(写真a)。

2秒混合すると、製剤は処方は均一に混合された単相となり(写真b)、約3分程度という塗布するまでに十分な時間、単相の状態を保ちます(写真c)。その後、5分経過すると分離し、二層の美容液に戻ります(写真d)。

混ざった製剤はベタつかず心地よいテクスチャーで、ふたつの成分を肌へ同時に届け、補い合いながら美肌効果を発揮します。

その詳しい効果について、AADで発表した試験結果を、次の記事で詳しくご紹介したいと思います。