NEW2023.02.01
医師監修コンテンツ
COLLAGEN X BEAUTY INGREDIENTS

コラーゲンと切っても
切り離せない「ビタミンC」

皮膚科ではもちろん化粧品にもサプリメントにも、古くから美肌のために使われているビタミンCは、肌が新しいコラーゲンを生み出すのに欠かせない成分。その理由と働きについて、詳しくご紹介します。

INDEX

ヒトは体内で
ビタミンCを作れない

ビタミンCは、野菜や果物などに含まれ、体の健康を保つのに欠かせないビタミンの一種です。
哺乳類の多くは体内でビタミンCを合成することができますが、ヒトなど一部の動物は、合成に必要な酵素をもたずビタミンCを体内で作ることができません。そのため、食事などで摂取することが必要です。

その働きは多岐にわたり、最も重要なのが、皮膚や骨、腱、血管などに存在するコラーゲンの産生を助ける働き。
コラーゲンを構成するアミノ酸の生成にはビタミンCが不可欠なため、ビタミンCが不足するとコラーゲンが産生されにくくなり、骨粗鬆症や壊血病、皮膚の弾力低下などを招きます。

ビタミンCには高い抗酸化作用があるので、体内の酸化を防いで健康や若々しさを保つ働きも見逃せません。
さらに、紫外線によって肌の中でメラニンが作られるのを抑え、シミやくすみを防ぎます。
皮脂分泌をコントロールし、毛穴の目立ちやニキビを防ぐ働きもあります。

皮膚に
直接与えることの意味

医療では、ビタミンCを注射や点滴、飲み薬などで体内に取り入れます。さまざまな疾病の治療や、補助医療に活用されています。

ビタミンCは全身の恒常性を維持するのにあらゆる場所で必要とされます。また、血液を通じてあらゆる器官に、皮膚も含めて同時進行で届けられるので、摂取量が少ない場合、必要とする器官において欠乏状態が起きることがあります。
さらに、皮膚は体の中で最大の臓器であるため、必要量も大きく、行き届かないと欠乏状態になる可能性があります。基本的には、バランスのとれた食事やサプリメントで摂取していれば、皮膚に十分な量のビタミンCを届けることができます。しかし、私たちの生活は仕事や家事、育児などに追われて毎日の食事のバランスを常に意識することが難しく、結果的にビタミンCが不足しがちです。そのため、美容医療においてはイオン導入や皮膚用薬、スキンケアなどでビタミンCを直接肌に届けることが重要だと考えています。

おすすめ「ビタミンC美容」

ビタミンCをスキンケアで取り入れるために知っておきたい情報をお届けしましょう。

ビタミンCは高い抗酸化力を持ち、そのままだとすぐに酸化してしまうという不安定な物質です。
そのため化粧品には、ナトリウムやマグネシウム、糖など別の物質と結びつけてビタミンCの弱点を解消した「誘導体」という形で配合されることが多いです。皮膚の中の酵素によって分解され、そこで初めてビタミンCとして働くという仕組みです。

ビタミンC誘導体には水溶性、脂溶性、両親媒性の3種類があり、それぞれ性質が異なります。さらに、同じ水溶性ビタミンC誘導体や脂溶性ビタミンC誘導体であっても、効果の異なるさまざまな種類が開発されています。目的に合わせて選ぶと、効果的なお手入れができます。

さまざまなビタミンC誘導体を取り入れることが効果的ですが、私たちはとくに、水にも油にもなじみやすく、浸透性と速攻性を両立させた両親媒性ビタミンC誘導体の高い効果に着目しています。