NEW2023.05.24
医師監修コンテンツ
COLLAGEN SCIENCE

コラーゲンが
衰える原因とは?

シワやたるみなどのエイジングにつながる、コラーゲンの劣化。その原因は紫外線や加齢だけでなく、いろいろと複雑であるというのが皮膚科医の見解です。さらに、ドクターシーラボがいち早く着目をしている近年話題の「コラーゲンのカルバミル化」についても解説します。

INDEX

コラーゲンが劣化する
2大原因

幼少時から20代前半ごろまでの肌はプリプリとしてハリ・弾力に満ちていたのに、加齢につれて肌はハリを失い、シワやたるみが進行します。これは、真皮のコラーゲンが劣化したことが一因です。

コラーゲンの劣化には、一般的にふたつの原因があるといわれます。ひとつは紫外線。中でも波長の長いUV-Aは真皮にまで到達し、コラーゲンを変性させます。ダメージが大きいと切れてしまうことも。さらに、コラーゲンを生み出す線維芽細胞もダメージを受けるので、新しいコラーゲンが作られにくくなります。

もうひとつは加齢による自然な細胞の衰えです。加齢により線維芽細胞が衰え、コラーゲンの質が低下します。

生活習慣の
コラーゲンへの悪影響

一般的には、紫外線と加齢が、コラーゲンの劣化のみならず老化の2大原因とされていますが、実際はもう少し複雑で、生活習慣も少なからず影響しています。

たとえばダイエットや偏食などでタンパク質の摂取が減れば、コラーゲンを作る材料が不足し、コラーゲンの劣化を加速してしまいます。保湿ケアの不足や洗い過ぎなどで肌が乾燥してしまうと、バリア機能が低下し、真皮にも情報が伝達してコラーゲンの代謝や分解のリズムが乱れてしまいます。

精神的なストレスや睡眠不足も見逃せません。体内に活性酸素が増え、コラーゲンへのダメージにつながります。
当然のように喫煙も悪影響です。体内のビタミンCを大量に消費してしまい、コラーゲンを構成するアミノ酸の生成にはビタミンCが不可欠なため、コラーゲンの産生がうまくいかなくなります。

ドクターシーラボが着目している
コラーゲンの
カルバミル化とは?

左: コラーゲン線維(カルバミル化なし) / 右:コラーゲンのネットワーク構造が不安定に /
電子顕微鏡scanning electron microscopy(jsm 5400 lv; jeo)によるカルバミル化コラーゲン線維 出典:chemistry & biology 13, 149 -159, february 2006

老化に関与している糖化に並び、近年話題となっているのが、コラーゲンの劣化の大きな要因として示唆されているのが「カルバミル化」です。もともと疾病の分野で研究が進んでいましたが、肌のコラーゲンの劣化にも影響することが徐々に明らかになっていて、ドクターシーラボはいち早く注目をしています。

カルバミル化は、体内で発生する尿素の代謝物「イソシアン酸」(尿素の分解代謝物)が、コラーゲンをはじめとする体内のタンパク質と結合し、タンパク質を劣化させる現象。
実は幼少期のころから体内で起きている現象で、体内の代謝が活発であれば劣化したタンパク質も自然と排出されます。20代半ば以降は代謝が少しずつ遅くなり、肌にカルバミル化したコラーゲンが蓄積されてしまうのです。
カルバミル化したコラーゲンは、コラーゲンのネットワーク構造が不安定になり、弾力が低下してシワやたるみの原因になると考えられています。

カルバミル化からコラーゲンを守ることやカルバミル化を防ぐメカニズムを解明する研究をさらに進める必要があるでしょう。