NEW2024.05.14
SCIENCE REPORT

米国皮膚科学会で発表した
レチノール&ビタミンC製剤の高い効果

2024年3月8日〜12日に開催された「2024年米国皮膚科学会年次総会」において、ドクターシーラボ®が発表した最新の科学的イノベーション。そのレポート後編では、製剤を肌に塗布した3ヶ月の試験結果をご紹介します。

INDEX

純粋レチノールと高浸透ビタミンC誘導体を同時配合した製剤

米国皮膚科学会では、安定する条件が異なる純粋レチノールと高浸透ビタミンC誘導体を、ひとつの製剤に同時配合することに成功したということ。そして、その製剤を肌に連用塗布した試験結果です。

レチノールとビタミンC誘導体は、肌効能は高いことが知られていますが、分解されやすく製剤化にはデリケートな成分としてよく知られています。原料の不安定性や安定化条件が異なることから、ふたつの成分を混合した一層の美容液を調製することは、とても難しいとされています。

これらの美容成分を安定かつベタつかない製剤にするため、独自の二層式処方を開発しました(a)。各成分は別々の層で安定化させ、塗布前に混合するように設計しました。

2秒間混合することで、処方は均一に混合された単層となります(b)。そして、塗布するまでに十分な時間(約3分間)、同様の状態を保ちます(c)。配合液は5分後には分離し、二層の美容液に戻ります(d)。

この製剤を使用し、45~55歳の加齢が気になる健康な日本人女性14名のモニターによる臨床試験を実施しました。保湿、弾力性、メラニン量、コラーゲンレベルなど、8つの皮膚パラメータを、機器による測定、画像解析、自己評価アンケートを用いて評価しました。測定は4週間ごとに行いました。

肌の水分量と弾力性が向上

まずは保湿に関する試験結果です。角層(肌の最表面)の水分量は、4週間の使用で優位に増加し、12週間後には18.1%まで上昇したことが明らかとなりました。肌の弾力性も12週間後に8.8%増加しています。

メラニン減少により肌明度が向上

肌の透明度については、メラニン量と明度というふたつの角度で試験を行いました。12週間後、メラニン量は7.7%減少、明るさは3.9%の増加が観測されました。純粋レチノールと高浸透ビタミンC誘導体は、それぞれがメラニン産生の抑制作用とメラニン排出を促す作用をもつことから、ふたつの成分の働きによってこの結果が達成されたと考えられます。

真皮コラーゲンの強度が向上

肌のハリに大きく関わる真皮のコラーゲン強度については、12週間後に36.5%アップするという良好な結果が得られました。画像は、黄色や赤の部分がコラーゲンが増えたことを示しています。

モニター14名に実施した自己評価アンケートでは、100%が「継続使用を希望する」と回答し、使用感についても「肌なじみがよい」「テクスチャーの使い心地に満足」と、肯定的な評価が得られました。

これら全体の結果により、純粋レチノールと高浸透ビタミンCの二層式製剤は、使い続けたくなるような使用感の良い処方でありながら、レチノールとビタミンCそれぞれの利点を併せもち、発揮することがわかりました。

出典:Nishizawa T, et al. The Efficacy Assessment of a Bi-Phase Serum Containing Vitamin C Derivatives and Retinol in Aged Skin. Presented at: American Academy of Dermatology Annual Meeting 2024; 8–12 March2024; San Diego, CA, United States. Poster number 50657.

米国皮膚科学会で発表し、高い評価が

世界中から著名な皮膚科医が集まり、2024年3月8日〜12日に開催された「2024年米国皮膚科学会年次総会」でこれらの試験結果を発表したところ、高い評価が得られました。純粋レチノールと高浸透ビタミンC誘導体を同時配合可能にした製剤の開発は画期的であり、美容成分に高い興味をもつ一般消費者のニーズに応えるものであると、私たちは考えています。

ドクターシーラボ®︎では、まだまだ他にもたくさんの基礎研究を行っています。今後も研鑽を重ね、すこやかで美しい肌へのニーズに応えていきたいと思っています。