>   >   > 

過活動膀胱って何? 症状や原因、治療法について

  • Check


過活動膀胱って何? 症状や原因、治療法について

「何度もトイレに行くのが恥ずかしい」「急に強い尿意におそわれて困る」など、トイレにまつわる症状でお悩みの方は、過活動膀胱(かかつどうぼうこう)の可能性があります。症状は常にトイレが気になって生活に支障が生じやすく、本人にとっては辛いものです。過活動膀胱に関する基礎知識や、治療方法などをご紹介します。

過活動膀胱とは?

過活動膀胱は文字通り、「膀胱が活動し過ぎる」膀胱機能の障害です。膀胱は本来、腎臓で作られた300~500㎖の尿を一時的に溜めておくことができます。しかし、過活動膀胱になると、膀胱が過敏になり、過剰に反応し排尿しようとするため、尿意を我慢することが難しくなります。

症状について

以下のような症状が当てはまる方は、過活動膀胱の可能性があります。

尿意切迫感

  • 急に尿意をもよおし、我慢できなくなる。
  • トイレに何回も行くようになる。

頻尿

  • 頻繁にトイレに行く(昼間8回以上)。
  • 夜間も何度もトイレに起きる。
  • 1回の排尿量は少ない。

切迫性尿失禁

  • トイレに間に合わなくて漏れてしまう。
  • 漏れる量はほんの少しのことが多い。

患者数について

過活動膀胱に罹患している人は、国内で830万人(*)と推定されています。男女ともにかかる病気で、40歳以上の男女の8人に1人が過活動膀胱の症状に悩んでいるとされています。年齢とともに患者数が多くなる傾向があり、70歳以上では3割以上の方がこの病気にかかっていると考えられています。また、中高年だけではなく、近年では若い世代の患者も増えています。

(*)2003年に行われた調査(「排尿に関する疫学的研究」日本排尿機能学会誌2003;14:266-77.)によると、40歳以上の中高年者における過活動膀胱の有病率(頻尿や尿意切迫感がある人の割合)は 12.4%。

過活動膀胱はなぜ起きるの?

原因について

加齢による老化現象や、精神的ストレス、脳にある排尿を司る部分や自律神経の乱れなど、さまざまな要因が関係しているとされていますが、原因がよくわからないことも少なくありません。また、脳や脊髄の病気のために膀胱のコントロールが効かない、前立腺肥大症による排尿障害のために膀胱が過敏になるなど、病気が原因で発生することもあります。

<過活動膀胱の主な原因>

  • 加齢による老化現象
  • 骨盤底筋の衰え
  • 心因性のストレス
  • 前立腺肥大症など前立腺疾患
  • 脳梗塞、脳内出血、パーキンソン病など脳や脊髄神経の病気

過活動膀胱の治療について

過活動膀胱の疑いがある場合は、まず泌尿器科で診察を受けましょう。過活動膀胱なのか、他の病気なのかを診断してもらうことをおすすめします。

過活動膀胱の改善には、薬の服用と、膀胱訓練や排尿日記といった行動療法を並行して行う治療方法が一般的です。

膀胱訓練

頻尿が続くと次第に膀胱が小さくなり、より症状が悪化することも考えられます。そこでおすすめなのが、膀胱訓練です。尿を我慢する膀胱のトレーニングのことで、実際に病院の治療でも取り入れられています。尿意を感じてもすぐにトイレに行かず、膀胱に溜まる尿の量を増やす訓練をし、排尿回数を減らしましょう。ただし、前立腺肥大症のような病気や膀胱炎などの方は、尿を我慢する膀胱訓練は適しません。必ず医師の指導のもとで行いましょう。

膀胱訓練のやり方は、肛門や尿道に力を入れるようにして尿を我慢するだけです。最初は数分間の我慢からスタートし、5分、10分と少しずつ時間を長くしていきましょう。趣味など熱中できることに集中したり、他のことを考えて気を紛らわせると尿意もまぎれるのではないでしょうか。一度やれば効果を感じるほどの即効性はありませんが、気長に取り組むことで効果が実感できるでしょう。毎日続けることが大切です。

訓練中の尿漏れが心配な方は、尿漏れパッドを使うとよいでしょう。最初は抵抗があるかもしれませんが、使ってみると快適ですし、他人から悟られることもありません。精神的な負担を減らすためにも一度お試しください。

薬の服用(薬物療法)

排尿に影響する筋肉が過剰に反応するのを抑え、膀胱で尿が十分溜められる状態に改善するために薬を服用します。

<薬の種類と副作用について>

過活動膀胱炎には、一般的に抗コリン薬が処方されます。この薬は、排尿筋をコントロールしている自律神経に作用し、膀胱の過剰な収縮を抑え、尿意切迫感や頻尿などの症状の治療用いることができますが、副作用として、口喝、便秘、目のかすみが起こることがあります。緑内障がある方は、抗コリン薬が使用できない場合もあるため、医師に相談してください。また、尿がほとんど出なくなってしまったときや、ひどい便秘が続く場合は、薬の服用をやめて、すぐに医師に相談しましょう。

最近では、副作用の少ない抗コリン薬やβ3作動薬という薬も注目されています。抗コリン剤とは異なり、膀胱が緩むのを助ける薬で、膀胱を緩ませることで膀胱の容量を大きくすることが目的です。

排尿日記をつける

トイレに行ったら、時間と尿の量を記録するようにします。どのくらいの間隔で、どのくらいの分量の尿をしているかが把握できるようになるので、膀胱訓練の効果がわかるほか、医師にとっても、より的確な診断や治療のための材料となります。

治療で治る?

年配の方は、加齢による膀胱の老化が加わっているので治りにくいこともありますが、ある程度薬で改善されるでしょう。ただし、薬を服用しただけでは治りません。自分で尿を我慢する膀胱訓練を一緒に行うことが大切です。

前立腺肥大症で過活動膀胱の症状がある方は、前立腺肥大症の薬物治療や手術をすると症状がよくなることがあります。

日常的に行いたいセルフケア

膀胱訓練や薬物療法とともに取り入れたいセルフケアをご紹介します。

女性向けの骨盤底筋トレーニング

膀胱や尿道、子宮を支えている筋肉=骨盤底筋の筋力が弱まることが、尿漏れや頻尿の原因になります。衰えた骨盤底筋を鍛えるトレーニングによって、尿道の締まりがよくなり、過活動膀胱炎の症状が軽減されると言われています。膀胱訓練とともに骨盤底筋を鍛えることで、尿漏れ改善の効果が高まる可能性があります。

骨盤底筋トレーニングのやり方は、膣を締めたりゆるめたりする動きが基本になります。

  1. 仰向けになり、ひざを軽く曲げる。
  2. 尿道や膣、肛門を締めるように意識し、息を吸いながらお腹の中に引き込むようなイメージで力を入れます。
  3. そのままの状態で5秒くらいかけて息をゆっくり吐き、力を抜きます。
  4. これを数回繰り返します。

難しければ、肛門と膣を締めたり緩めたりを繰り返すだけでもかまいません。

仰向けのほか、椅子に座った状態や立った状態でもできるので、日常生活にも取り入れやすいのがメリットです。気が付いたときにこまめに行い、骨盤底筋を鍛えましょう。筋肉を鍛えるトレーニングなので即効性は期待できませんが、日々の積み重ねにより効果を実感できるようになります。焦らず毎日続けることが大切です。

水分やカフェインを摂りすぎないように調節する

脱水症状を起こすほど極端に水分を摂らないのはいけませんが、のどが乾いてもいないのに水分を過度に摂取している人は、摂取量を少し減らしてみましょう。また、カフェインには利尿作用があるので、コーヒーや緑茶などカフェインを含む飲み物は避けます。ビールなどのアルコールも控えましょう。

まとめ

過活動膀胱は多くの人がお悩みのデリケートな問題で、年齢とともに増加する傾向にありますが、トレーニングやセルフケアで改善していくことも可能です。

寒さや冷えで悪化するので、腹巻きや下着の重ね着、ソックス、カイロなどで保温を心がけてください。とくに下半身の冷えは、全身の血流の悪さを招くので、お風呂はなるべくシャワーではなく全身浴をし、冷たい飲み物は避けるなど、身体を温めましょう。毎日の安心をサポートするサプリメントなどもおすすめです。
トイレを気にすることなく日常生活やレジャーを楽しめる快適な毎日を目指しましょう。

監修:JR大阪鉄道病院 泌尿器科医師 米虫良允

  • Check

過活動膀胱って何? 症状や原因、治療法についての関連ページ

過活動膀胱って何? 症状や原因、治療法について ページトップへ